労働者側の労働問題|広島市中区八丁堀

会社との交渉から
労働審判・訴訟まで、
働く方の側で。

未払いの残業代、解雇や退職をめぐるトラブル、職場のハラスメント、労災。在職中でも、退職された後でもご相談いただけます。ご相談の段階で、当事務所から会社へ連絡することはありません。

広島で残業代請求・不当解雇・ハラスメントに対応する弁護士をお探しの方へ

出来事を時系列で整理しながら相談を受ける様子

在職中でも、退職された後でも、ご相談いただけます。

労働の問題は、証拠が会社の側にあることが少なくありません。タイムカード、賃金台帳、就業規則、人事評価の記録。いずれも個人が求めても出てこないことがあります。弁護士が代理人として開示を求め、それでも応じない場合には労働審判や訴訟の中で提出を促すことになります。

ご相談の段階で、当事務所から会社へ連絡することはありません。どの時点で、どこまで会社に伝えるかは、見通しとご本人のご意向を踏まえて決めていきます。「これは相談してよいことなのか」という段階でも構いません。まず、いま何が起きているかを整理するところから始めます。

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辞めろと言われた/もう辞めたい

クビだと言われた解雇

客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当でない解雇は無効です(労働契約法16条)。まず解雇理由証明書を請求し、会社の言い分を書面で確定させます。

会社の業績不振でリストラされた整理解雇

経営上の理由による解雇は、人員削減の必要性、解雇回避の努力、人選の合理性、手続の相当性の4点から厳しく審査されます。

「辞めてほしい」と繰り返し言われる退職勧奨

勧奨に応じる義務はありません。断った後も面談が繰り返されるようであれば、勧奨そのものが違法と評価されることがあります。

仕事を取り上げられ、居づらくされている退職強要

仕事を与えない、席を移すといった追い出し行為は、退職の強要として損害賠償の対象になり得ます。時系列の記録が要になります。

契約を更新しないと言われた雇止め

更新が繰り返されてきた場合や、更新を期待する合理的な理由がある場合、雇止めは無効になります(労働契約法19条)。

退職を申し出たのに辞めさせてもらえない在職強要

期間の定めのない雇用であれば、退職に会社の同意は要りません。就業規則の「3か月前」という定めの拘束力も限定的です。

「辞めるなら損害賠償を払え」と言われた退職

あらかじめ違約金や賠償額を定める契約は禁止されています(労働基準法16条)。実際の損害の立証もなく請求が通ることはまずありません。

有給を使わせてもらえない・離職票が届かない退職手続

退職前の有給消化は原則として拒めません。離職票が出ないと失業給付の手続が進みません。いずれも弁護士から請求できます。

辞めた後の生活はどうなるのか生活費

解雇を争っている間も、要件を満たせば失業給付を仮に受給できます。働けない期間は傷病手当金を使える場合があります。

内定を取り消された/本採用を拒否された内定取消

内定によって労働契約は成立しており、取消しは解雇に準じて扱われます。試用期間満了時の本採用拒否も同じ枠組みです。

定年後の再雇用を拒否された/条件を大きく下げられた高年法

65歳までの雇用確保は事業主の義務です(高年齢者雇用安定法9条)。希望者を合理的な理由なく外すことはできません。

5年を超えて働いているのに無期にしてもらえない無期転換

有期契約が通算5年を超えれば、申し込むだけで無期契約に転換します(労働契約法18条)。会社が拒むことはできません。

「役員だから労働者ではない」と言われた労働者性

取締役でも、実態として指揮命令を受け、報酬が労務の対償といえるなら労働者として保護されます。肩書きでは決まりません。

働いた分のお金が払われていない

残業代が支払われない残業代

1日8時間・週40時間を超えた分は2割5分以上、月60時間を超えた分は5割以上です。時効は3年で、古い月から消えていきます。

「固定残業代に含まれている」と言われた残業代

通常の賃金部分と割増部分が区別できること、超過分を精算していることが必要です。欠けていれば定め自体が無効になり得ます。

「管理職だから残業代はない」と言われた残業代

管理監督者といえるのは、経営に関与し、出退勤の裁量があり、地位に見合う待遇を受けている場合に限られます。

タイムカードがなく、証拠がない証拠

パソコンのログ、入退館記録、メールの送信時刻、手帳でも立証できます。労働時間を把握するのは会社の義務です。

着替えや朝礼、持ち帰りの仕事は労働時間か労働時間

制服への着替え、朝礼、参加が事実上強制される研修、持ち帰りの作業も、指揮命令下にあれば労働時間です。

給料を一方的に下げられた賃金

引下げには個別の同意か、就業規則の合理的な変更が必要です。黙って振り込まれた額を受け取っただけでは同意になりません。

ミスの弁償を給料から差し引かれた賃金

賃金は全額を支払わなければならず、控除には労使協定が必要です(労働基準法24条1項)。損害の全額を負担させることもできません。

退職金が支払われない・減額された退職金

就業規則や慣行で支給基準が定まっていれば、退職金は賃金として請求できます。時効は5年です。

会社が倒産して給料が消えた倒産

未払賃金立替払制度により、国が一定の範囲を立て替えます。事実上倒産している状態でも対象になり得ます。

減給や罰金を科された制裁

減給の制裁は、1回が平均賃金1日分の半額まで、総額が一賃金支払期の賃金総額の10分の1までです(労働基準法91条)。

会社の都合で休まされたのに給料が出ない休業手当

使用者の責めによる休業には、平均賃金の6割以上の手当が必要です(労働基準法26条)。シフトを入れない扱いも含まれ得ます。

給与明細がもらえない/社会保険に入れてもらえない手続

明細がなければ何を引かれたのか確認できません。社会保険と雇用保険への加入は、要件を満たせば事業主の義務です。

36協定の上限を超える残業を命じられている上限規制

時間外は原則で1か月45時間・1年360時間まで。特別条項があっても、1か月100時間未満、複数月平均80時間以内が上限です。

職場にいるのがつらい

上司の暴言・人格否定が続いているパワハラ

優越的な関係を背景とした、業務上必要な範囲を超える言動によって就業環境が害されているかどうかで判断します。

無視される・仕事を与えられないパワハラ

仕事を与えない、隔離する、無視するといった行為も類型として整理されています。継続していれば違法性は高まります。

相談窓口に言ったが何も変わらない会社の責任

会社は相談体制を整え、申告があれば事実確認と再発防止を行う義務を負います。放置は会社自身の責任になります。

性的な言動を受けているセクハラ

対価型と環境型があり、同性間でも成立します。加害者本人だけでなく、会社にも責任を問えます。

妊娠・出産・育休を理由に嫌がらせを受けたマタハラ

妊娠・出産・育休を理由とする不利益な取扱いは禁止されています。降格や契約の打切りも含まれます。

客からの暴言を会社が放置しているカスハラ

2026年10月1日から、顧客からの著しい迷惑行為について、会社に防止措置が義務づけられます。放置は責任問題になります。

性的指向や性自認をめぐる言動を受けているSOGIハラ

性的指向や性自認に関する侮辱、意に反する暴露(アウティング)は、パワハラの類型として指針に明記されています。

これくらいで相談していいのか迷う共通

軽く見えるご相談ほど、早い段階なら選べる手段が多く残っています。判断がつかない段階でお越しください。

就職活動中にハラスメントを受けた就活セクハラ

2026年10月1日から、就職活動中の方に対するセクシュアルハラスメントの防止措置が事業主に義務づけられます。

心と体を壊した/働けなくなった

仕事中や通勤中にケガをした労災

業務中はもちろん、通勤中の事故も労災です。健康保険を使ってしまっていても、後から切り替えられます。

会社が労災にしてくれない労災

労災の申請に会社の同意は必要ありません。証明を拒まれた場合も、その旨を付して労働基準監督署に提出できます。

長時間労働やハラスメントでうつ病になった労災

長時間労働やハラスメントによる精神障害も労災の対象です。認定基準に沿って、出来事と時期を整理します。

家族が過労で亡くなったのではないか過労死

発症前1か月におおむね100時間、または2か月から6か月の平均で月80時間を超える時間外労働が目安とされています。

休職に入ったが、期間満了で辞めさせられそう休職

休職期間の満了による退職扱いは、実質的に解雇と同じ意味を持ちます。復職できるかどうかの判断が争点になります。

復職したいのに復職させてもらえない復職

従前の業務に完全に戻れなくても、配置できる業務があれば復職を認めるべきとされた例があります。主治医の意見が重要です。

休んでいる間の生活費が心配傷病手当金

業務外の傷病で働けない期間は、健康保険から標準報酬日額の3分の2が、最長1年6か月支給されます。

育児や介護のための休みを取らせてもらえない育児介護休業

介護休業は対象家族1人につき通算93日、介護休暇と子の看護等休暇は年5日です。申出を理由とする不利益な扱いは禁止されています。

昔の仕事が原因の病気だと分かった職業病

アスベストやじん肺は、退職から何年も経ってから発症します。離職後でも労災の対象になり、別の救済制度を使える場合もあります。

長時間労働が続いているのに、健康診断も面接指導もない安全配慮

健康診断と、長時間労働者に対する医師の面接指導は会社の義務です。怠っていた事実は、後の責任追及で重い意味を持ちます。

一方的に条件を変えられた

説明もなく給料を下げられた賃金

引下げには個別の同意か、就業規則の合理的な変更が必要です。同意したと扱われないよう、書面への署名は慎重に。

就業規則を勝手に不利益に変えられた就業規則

不利益な変更が有効になるには、不利益の程度、必要性、内容の相当性、交渉の経過などから合理性が認められる必要があります。

望まない異動・転勤を命じられた配転

業務上の必要性がない、不当な動機がある、通常甘受すべき程度を著しく超える不利益がある場合は、権利の濫用になります。

出向・転籍を命じられた出向

出向には根拠となる定めが必要で、転籍は本人の同意なしにはできません。同じ異動でも要件が違います。

降格・減給された人事

役職を外すことに伴う減額と、懲戒としての降格は別物です。就業規則の根拠と、処分の重さの釣り合いを確認します。

入社時に説明された条件と違う労働条件

明示された条件と事実が違う場合、労働者は即時に契約を解除でき、帰郷の旅費も請求できます(労働基準法15条2項・3項)。

有給を取ったら賞与や査定を下げられた年次有給休暇

6か月勤めて8割以上出勤すれば当然に発生します。取得を理由に賃金や査定を下げることは禁止されています。

在宅勤務の通信費や光熱費を自己負担にされたテレワーク

費用を負担させるには就業規則の定めが必要です(労働基準法89条5号)。在宅でも労働時間を把握する義務は残ります。

「代休を取ったのだから割増は出ない」と言われた休日

振替休日と代休は別物です。代休を取っても、法定休日に働いた分の3割5分以上の割増賃金は消えません。

立場が弱くて言い出せない

「パートには権利がない」と言われた非正規

有給も残業代も、雇用形態を問わず発生します。「パートだから」という説明に法的な根拠はありません。

正社員との待遇差が大きい同一労働同一賃金

基本給や賞与、手当の差が、職務の内容や配置の変更範囲に照らして不合理であれば違法です。手当ごとに判断します。

派遣先で不当な扱いを受けている派遣

派遣先の指揮命令に問題があれば、派遣先の責任も問えます。契約書上の業務と実態のずれが出発点になります。

業務委託だから労働法は関係ないと言われた労働者性

契約の名称ではなく、仕事を断れるか、時間や場所の拘束があるか、報酬が労働時間に対応するかで判断します。

外国人だから我慢するしかないのか外国人

在留資格にかかわらず、労働基準法も最低賃金法も等しく適用されます。技能実習生の方も同じです。

障害があるのに配慮してもらえない合理的配慮

事業主には合理的配慮の提供が義務づけられています。話し合いの過程を経ずに退職を促すことは許されません。

副業の禁止や競業避止の誓約書を求められた誓約書

競業避止の約束は、期間、地域、職種、代償措置の有無から見て広すぎれば無効です。副業の一律禁止にも限界があります。

不正を告発したら不利益を受けた公益通報

通報を理由とする解雇や不利益な取扱いは無効です。通報先ごとに保護の要件が違うため、順序が重要になります。

公務員・教員だが、民間と同じように争えるのか公務員

公務員は労働基準法の適用関係が異なり、人事委員会への不服申立てなど別の道になります。まず身分の確認から始めます。

どこに相談すればよいのか分からない

労働基準監督署は何をしてくれるのか窓口

監督署は法違反を是正させる行政機関で、解雇の有効性や解決金の交渉は扱いません。目的によって使い分けます。

社労士に相談するのとどう違うのか窓口

社労士のADRは、労働関係法令の違反や退職後の紛争を扱えません。退職後のご相談は弁護士の領域になります。

あっせんと労働審判と裁判は何が違うのか手続

あっせんは相手が応じなければ終了します。労働審判は原則3回以内、訴訟は1年前後が目安です。

広島では、相談は多いのに手続まで進んでいない広島

広島労働局の相談は年5,704件ある一方、あっせんの申請は37件です。相談は多いのに、手続まで進んでいません。

会社に知られずに相談できるか相談

ご相談の段階で会社に連絡が行くことはありません。動く時期も方法も、ご本人が決められます。

いつまでに動けばよいのか時効

残業代は3年、退職金は5年、損害賠償は原則3年です。解雇を争う期限に定めはありませんが、遅れるほど不利になります。

労働組合に入る、つくるという方法もある団体交渉

一人でも入れる労働組合があり、会社は正当な理由なく団体交渉を拒めません(労働組合法7条2号)。弁護士と組合は向き不向きが違います。

職種によって争点が変わる職種

運送は荷待ち時間、医療介護は夜勤の仮眠、飲食は店長の管理監督者性、建設は常用か請負か。業種によって争点が変わります。

弁護士が代理人に入ると、何が変わるのか

✕ ご本人だけで対応した場合
  • 上司や経営者と直接やり取りすることになる
  • 口頭でのやり取りが中心となり、後から内容を争われやすい
  • 会社が提出しない資料は手元に集まらない
  • 提示された金額が妥当な水準か判断できない
  • 断ると職場に居づらくなることを懸念して応じてしまう
○ 弁護士が代理人に入った場合
  • 受任通知の到達後、会社の連絡先は弁護士になる
  • やり取りが書面に残り、経過を立証しやすくなる
  • 賃金台帳・タイムカード・就業規則の開示を求められる
  • 裁判例に照らして目標とする水準を設定できる
  • 顔を合わせずに手続を進めることができる

受任通知を送った後も、ご本人が会社に出勤を続けることは可能です。在職のまま請求を行う事案も扱っています。

未払い残業代は、いくらになるのか

あくまでも機械的に判断した目安です。詳細は資料を基に概算をお示しさせていただきます。

残業代の概算を計算する
入力された内容は送信されません

時間外労働(1日8時間・週40時間を超える部分)

法定休日の労働(週1日の休日に働いた分)

1時間あたりの基礎賃金
時間外 60時間まで(1.25倍)
時間外 60時間を超える分(1.5倍)
深夜の加算(0.25倍)
法定休日(1.35倍・深夜は1.6倍)
既払分の控除
1か月あたりの未払額

未払残業代の概算

法定の下限で計算した目安です。実際の請求額は、手当の内訳や勤務の実態によって変わります。

解雇・退職勧奨を受けたとき、先にしておくこと

争うかどうかを決める前の段階で、済ませておいたほうがよい手続があります。

解雇の通知書を受け取り、その場で内容を確認している場面
1

解雇理由証明書を請求する

労働者が解雇の理由について証明書を請求した場合、使用者は遅滞なくこれを交付しなければなりません(労働基準法22条1項)。書面で理由を確定させておくことで、後から別の理由を追加されることを防げます。口頭で告げられただけの段階でも請求できます。

2

退職届にはその場で署名しない

いったんご自身から退職を申し出た形になると、解雇の効力を争うという枠組みが使えなくなります。「円満に処理できる」「離職票の記載で有利になる」と説明されることがありますが、署名の前に持ち帰ってご相談ください。

3

やり取りの記録を残す

面談の録音、メール、社内チャット、人事評価の写し。ご自身が参加している会話の録音は、相手の同意がなくても証拠として用いることができるのが原則です。日付が特定できる形で保存してください。

4

離職票の離職理由を確認する

会社都合か自己都合かによって、失業給付の給付制限期間や給付日数が変わります。記載内容に納得できない場合は、ハローワークに異議を申し立てることができます。解雇の効力を争う場合との関係もあるため、あわせてご相談ください。

ハラスメント・労災で、記録が結論を左右します

言動そのものを立証する資料が残っているかどうかで、取り得る手段が変わります。

ハラスメントの経過を記録にまとめ、弁護士に相談している様子

いつ、どこで、誰が、何を言ったか。これが記録の基本です。

手帳やスマートフォンのメモで構いません。日付が特定できることが重要です。加えて、メール・社内チャット・音声の録音・同僚の証言・シフト表や入退館の記録が資料になります。心療内科を受診されている場合は、診断書と通院の記録を残しておいてください。発症の時期と業務との関係を示す資料になります。

社内の相談窓口に申告したにもかかわらず調査が行われなかった、加害者と引き離す措置が取られなかったという経過も、会社自体の責任を問う際の重要な事実になります。申告の日時と、その後の会社の対応も記録に残してください。

会社の説明が、法律上そのとおりとは限りません

ご相談の場でよく伺う会社側の説明について、法的にどう整理されるかを記載します。

期間の定めのない雇用については、民法627条1項により、解約の申入れから2週間の経過で雇用は終了します。就業規則の定めがあることによって、退職そのものができなくなるものではないと解されています。引継ぎへの協力は望ましいことですが、それと退職の可否は別の問題です。
労働基準法41条2号の管理監督者に当たるかどうかは、役職の名称ではなく実態で判断されます。経営に関する決定への関与、人事についての権限、出退勤の自由、その地位にふさわしい待遇。これらを欠く場合には管理監督者には当たらず、割増賃金を請求できる余地があります。
通常の賃金部分と割増賃金部分とが判別できること、固定分を超えた場合に精算する仕組みがあることが必要とされています。「みなし残業○時間分を含む」という記載だけで内訳も精算もない場合、この定め自体が無効と判断される余地があります。当事務所の解決事例にも、この構成により約380万円を回収したものがあります。
退職の意思表示についても、錯誤や強迫を理由として取り消せる場合があります。「署名しなければ懲戒解雇にする」と告げられた、退職金が支給されると説明されたが実際には支給されなかったといった経過があれば、争える余地があります。署名に至った経緯を時系列で整理するところから検討します。
労働者に当たるかどうかは、契約書の表題ではなく働き方の実態で判断されます。仕事の依頼を断ることができるか、業務の進め方に具体的な指示を受けているか、勤務の場所と時間が拘束されているか、他の者に代替させることができるか、報酬が労務の対価といえるか。実態として指揮監督下にあれば、労働者として割増賃金を請求できる場合があります。
試用期間中の解約権の行使も無制限ではありません。採用の当時知ることができなかった事実が判明し、引き続き雇用することが適当でないと客観的に認められる場合に限られるというのが判例の考え方です(最高裁昭和48年12月12日大法廷判決)。
労働基準法16条は、労働契約の不履行について違約金を定め、または損害賠償の額を予定する契約をすることを禁じています。「辞めたら罰金」「研修費を全額返還せよ」といった取決めは、この規定に抵触する可能性があります。退職を理由とする損害賠償が実際に認められる場面は限られています。
労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分について無効となります(同法13条)。他の方が同じ扱いを受けていることは、その扱いが適法であることの根拠にはなりません。業界の慣行についても同様です。

解決までの手続と、かかる期間

いきなり訴訟になるわけではありません。多くの事案は交渉または労働審判で終了します。

弁護士が代理人として会社側と解決に向けた話し合いを行う様子
受任通知と請求書を送付し、会社と直接交渉します。裁判所の手続を経ないため最も早く、費用も抑えられます。会社が事実関係を争わない事案では、この段階で解決することが多くあります。まとまった場合は、清算条項を含む合意書を作成します。
裁判官1名と労働審判員2名で構成される委員会が審理します。特別の事情がある場合を除き、3回以内の期日で終結することとされており(労働審判法15条2項)、訴訟より短期間で結論に至ります。多くは調停の成立、すなわち解決金の支払いによる合意で終わります。審判に対して異議の申立てがあると、訴訟へ移行します。
争点が多い事案、解雇の効力を正面から争う事案では訴訟を選びます。地位確認と賃金の支払いを併せて請求することが一般的です。判決に至らず、途中の和解で終了する事案も相当数あります。期間は長くなりますが、証拠調べを尽くしたうえで判断を得られる点に意味があります。
労働基準監督署は、労働基準法などの違反に対して事業場を監督し、是正を指導する行政機関です。申告を端緒に是正勧告が行われれば、会社の対応が変わることはあります。もっとも、監督署は個々の労働者の代理人ではなく、未払額を計算して請求し、支払わせるところまでは行いません。慰謝料も対象外です。是正を求めるのであれば監督署、金銭の回収を求めるのであれば弁護士、という整理になります。両方を並行して進めることもできます。

費用と、生活の見通しについて

ご相談をためらう理由として多く伺う3点について、あらかじめ記載します。

1

費用倒れにならないか

ご依頼をお受けする前に、回収の見込み額と費用の見込みを併せてお伝えします。差引きで手元に残る額が乏しいと判断される場合には、その旨を率直に申し上げます。見通しが立たない段階で受任することはありません。

2

争っている間の収入

解雇の効力を争っている間についても、一定の要件のもとで失業給付を仮に受給できる場合があります(後に賃金相当額を受け取ったときは調整が必要です)。傷病により働けない期間については、健康保険から傷病手当金が支給される場合があります。手続の順序も含めてご説明します。

3

会社に支払能力がない場合

相手方の資力は、最初に確認すべき点のひとつです。事業の状況から回収の見込みを検討します。会社が倒産した場合には、未払賃金立替払制度により、未払賃金の一部について立替払を受けられることがあります。

当事務所の弁護士費用

当事務所の基準です。他の事務所の費用体系は事務所ごとに異なります。初回のご相談は30分無料で、着手金と報酬金はご依頼をお受けする前に書面でお示しします。

ご依頼の内容着手金報酬金
残業代請求(交渉)20万円〜30万円回収額の20〜25%
残業代請求(労働審判)30万円〜45万円回収額の20〜25%
残業代請求(訴訟)30万円〜50万円回収額の20〜25%
不当解雇(交渉)30万円〜得られた経済的利益による
不当解雇(労働審判)50万円〜得られた経済的利益による
不当解雇(訴訟)40万円〜80万円得られた経済的利益による
退職の通知のみ5万円
退職の通知および交渉7万円

たとえば残業代を交渉により300万円回収した場合、着手金25万円と報酬金66万円(回収額の22%)で費用の合計は約91万円、手元に残る額は約209万円という計算になります。実際には遅延損害金が加わるほか、訴訟では付加金(労働基準法114条)が認められる場合があります。ご相談の際に、その事案での見込みをお伝えします。

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解決事例

実際の事案をもとに再構成した一例です。金額・期間・手段は事案によって異なります。

01

固定残業代の無効を前提に、約380万円を回収

営業職の方からのご相談です。給与明細に「固定残業代40時間分」と記載はあったものの、通常の賃金部分との区分が不明確で、超過分の精算も行われていませんでした。固定残業代の合意自体が無効であると構成したところ、会社側も最終的に応じ、約380万円の解決金で和解に至りました。
期間:約5か月/手段:労働審判

02

能力不足を理由とする解雇に、賃金12か月分の解決金

事務職の方からのご相談です。改善の機会が実質的に与えられないまま解雇され、解雇理由証明書の記載も抽象的なものにとどまっていました。訴訟で地位確認請求と賃金請求を併せて提起したところ、会社側から賃金12か月分相当の解決金の提案があり、条件を整えたうえで和解しました。
期間:約11か月/手段:訴訟上の和解

03

継続的な暴言による適応障害で、約180万円

上司からの継続的な暴言・叱責により適応障害を発症された方からのご相談です。録音・診断書・同僚の証言を時系列に整理し、上司個人と会社の双方に対して慰謝料と治療費相当額を請求しました。労災の申請も並行して進め、最終的に約180万円で和解に至っています。
期間:約8か月/手段:任意交渉

04

5回以上更新された有期契約の雇止めに、賃金8か月分

契約社員として5回以上の更新を重ねた方からのご相談です。業務の内容が正社員と実質的に同一であり、更新手続も形骸化していたため、労働契約法19条に該当すると主張しました。労働審判において、賃金8か月分相当の解決金で合意に至りました。
期間:約4か月/手段:労働審判

05

退職を拒まれ続けた事案で、即日の退職と未払分の支払

介護職の方からのご相談です。人手不足を理由に退職届の受理を拒まれ、退職日を半年後にすると告げられていました。期間の定めのない雇用であることを前提に、民法上の予告期間を明示して受任通知を送ったところ、会社が態度を改め、退職日の確定と、未払賃金および有給の未消化分の清算を受けました。
期間:約1か月/手段:交渉

06

雇止めを撤回させ、契約の更新と解決金

契約社員として5年近く更新を重ねてきた方からのご相談です。更新手続は形骸化しており、上司からも継続を前提とした説明を受けていました。更新を期待することに合理的な理由があると主張して労働審判を申し立てたところ、会社が雇止めを撤回し、更新に加えて解決金の支払を受ける内容で調停が成立しました。
期間:約4か月/手段:労働審判

よくある質問

Q1証拠が十分に揃っていなくても相談できますか?
ご相談いただけます。初回の段階で証拠が揃っていないことは珍しくありません。むしろ早い段階で、何を残しておくべきかを確認しておくほうが、後の立証において有利に働きます。
Q2会社に知られずに相談できますか?
初回のご相談の段階で、当事務所から会社へ連絡することはありません。どの段階でどこまで会社に伝えるかは、見通しとご本人のご意向を踏まえて決めていきます。
Q3退職前と退職後、どちらのタイミングで相談すべきですか?
どちらでもご相談いただけます。証拠を確保するという観点では、在職中のほうが有利になりやすい場面があります。一方、退職後であっても、残業代は各支払日から3年分をさかのぼって請求できますし、解雇の効力も地位確認と併せて争える場合があります。
Q4タイムカードがなくても残業代を請求できますか?
パソコンのログイン・ログアウト記録、入退館の履歴、メールの送信時刻、業務チャットの発言、手帳のメモなどから労働時間を推認できる場合があります。タイムカードがないというだけで請求ができなくなるわけではありません。
Q5「固定残業代に含まれている」と説明されました。
固定残業代が有効と認められるには、通常の賃金部分と割増賃金部分とが判別できること、固定分を超えた場合に精算する合意があることなどが必要とされています。これらを満たさない場合、固定残業代の合意は無効となり、別途割増賃金を請求できる余地があります。
Q6どこからがパワーハラスメントに当たりますか?
①優越的な関係を背景とした言動であること、②業務上必要かつ相当な範囲を超えていること、③就業環境が害されること、の3つで判断されます(労働施策総合推進法30条の2第1項)。業務上の指導との境目は、必要性、手段の相当性、継続した期間、人格を否定する内容の有無などを踏まえて個別に検討します。
Q7有期契約の雇止めは争えますか?
労働契約法19条は、実質的に無期契約と同視できる場合や、契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由がある場合において、客観的に合理的な理由を欠く雇止めを無効としています。更新の回数、更新手続の実態、正社員との業務の同一性などが判断材料になります。
Q8労災の申請と会社への損害賠償請求は別のものですか?
別の制度です。労災保険は治療費や休業補償を給付する公的制度であり、慰謝料や逸失利益は、会社の安全配慮義務違反を根拠とする民事上の請求になります。両方を並行して進めることができます。
Q9退職してから時間が経っていますが、間に合いますか?
賃金請求権の消滅時効は、当分の間3年とされています(労働基準法115条、附則143条3項)。解雇の効力を争う場合は、時間の経過により解雇を受け入れたものと評価されるおそれがあるため、早めのご相談をお勧めします。

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広島電鉄「八丁堀電停」徒歩2分。JR広島駅から市電で約10分です。

大元・秋山法律事務所が入居するKSビル外観(広島市中区八丁堀11-10) KSビル(8階が当事務所)
事務所名大元・秋山法律事務所
所在地〒730-0013
広島県広島市中区八丁堀11-10 KSビル8階
アクセス広島電鉄「八丁堀電停」徒歩2分
アストラムライン「県庁前駅」徒歩5分
JR広島駅から市電で約10分
受付時間平日 9:30〜19:00(土曜・日曜・祝日は要予約)
メール・LINEは24時間受付
電話番号082-221-2221
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ご相談時のお願い

  • 雇用契約書・就業規則・給与明細(直近数か月分)や、経過を整理したメモをご用意いただくとスムーズです。
  • 解雇通知書・退職勧奨に関する書面・会社や代理人からの通知が届いている場合は、その書類一式をお手元にご準備ください。
  • ご相談内容は守秘義務により厳重に守られます。なお、このページは働く方からのご相談の窓口です。会社側のご相談は企業の労務ページで承ります。