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CASE

消化器外科における内視鏡手術後に患者が死亡した事案(医療訴訟)

SITUATION

相談前の状況

消化器疾患に対し、内視鏡を用いた低侵襲手術が行われましたが、術後に腹腔内の感染症を発症し、患者が亡くなったことから、ご遺族が医療機関を相手に損害賠償請求訴訟を提起しました。

ご遺族は、

  • そもそも内視鏡手術を選択すべきではなかったのではないか

  • 開腹手術であれば合併症は防げたのではないか

  • 手術前にリスクについて十分な説明がなされていない

  • 退院前後の検査や経過観察が不十分であった

として手術適応、説明義務、術後管理までが争点として1億円弱の賠償を求めました。

SUPPORT

当事務所のサポート

当事務所は医療機関側代理人として、事実関係の整理、確認に努め、裁判所にわかりやすく医療機関の対応に問題がない事を説明しました。

具体的には、

  1. 当時、当該疾患に対して内視鏡手術が保険診療として一般に行われていたか

  2. 内視鏡手術と開腹手術とで、問題となった合併症の発生率に有意な差があるか

  3. 合併症は、いずれの術式でも一定確率で生じ得る不可避的なものか

  4. 手術前説明において、術式の選択肢・一般的な合併症リスクが説明されていたか

  5. 術後・退院前に、当時の医療水準として追加検査を行うべき義務があったか

といった点を、診療記録、説明同意書、医学文献、学会ガイドライン等を基に詳細に検討しました。

特に、原告の主張は、「結果を知った後だからこそ求めている対応ではないか」という問題点を裁判所に提示しました

RESULT

解決後の成果

判決では、

  1. 当該内視鏡手術は、当時の医療水準に照らして適応を欠くものではない

  2. 問題となった合併症は、開腹手術であっても生じ得るものであり、術式選択との直接的因果関係は認められない

  3. 手術前の説明および同意取得は、一般的な医療水準を満たしている

  4. 術後・退院前の経過観察についても、追加検査を義務付ける根拠は乏しい

と判断され、医療機関側の責任は否定される結論となりました。

本件は、
「重大な転帰=医療過誤」では当然なく、医療行為の適否は当時の医療水準に沿うものか否かで決せられるもので、医療訴訟の基本原則を確認した事例といえます。