相談前の状況
被相続人が死亡した後、自筆証書遺言が見つかり、その内容が一部の相続人に大きく偏ったものであったため、他の相続人から当事務所にご相談をいただきました。
もっとも、本件では単に遺言内容の偏りが問題となったにとどまらず、
遺言作成当時、被相続人に判断能力の低下があったのではないか
一部相続人に対し、生前に多額の資金援助や不動産取得援助が行われていたのではないか
他方で、長年にわたり被相続人の介護や財産管理を担っていた相続人に相続分で報いるべきではないか
といった複数の論点が重なっていました。
遺言の有効性、特別受益該当性、寄与分の有無および程度をそれぞれどのように整理するかによって、最終的な相続分が大きく変動する状況でした。
当事務所のサポート
当事務所では、本件を 「遺言の有効性に争いがあるか」
「特別受益および寄与分をどのように主張立証するか」 という点を中心に検討を行いました。
具体的には、
遺言書の体裁、作成経緯、作成当時の医療記録等による遺言能力の検討
生前贈与、資金援助、不動産取得経過の整理による特別受益の有無・範囲の確認
介護状況、財産管理状況、親族間の役割分担の確認による寄与分の主張根拠の整理
遺産分割調停を見据えた主張の組立て
を行い、感情的対立が強い事案であったため、争点を漫然と拡散させず、法的に意味のある論点に絞って整理することを意識して対応しました。
解決後の成果
資料整理および協議、調停対応を通じて、
遺言の有効性に関する主張の見通しが整理され
特別受益および寄与分に関する主張の当否が明確となり
最終的な遺産分割の方向性について現実的な解決の道筋を立てることができ
ました。
相続紛争では、遺言の効力、特別受益、寄与分といった複数の争点が同時に問題となることが少なくありません。
本件は、感情的な対立を法的な争点に整理し直し、調停手続を通じて現実的な解決を図った事例の一つです。