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問題社員対応の進め方|記録・指導から懲戒処分までの手順を弁護士が解説

問題社員対応の進め方と注意点

勤務態度に問題がある、ミスを繰り返す、周囲との摩擦が絶えない――。問題社員への対応は、経営者や人事担当者にとって最も悩ましいテーマのひとつです。放置すれば職場全体の士気に関わり、かといって性急に動けば、会社側が法的リスクを抱え込むことになります。

いきなり解雇は、多くの場合うまくいきません

解雇が有効となるのは、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と認められる場合に限られます(労働契約法16条)。裁判所のハードルは高く、「問題がある社員だから」という会社側の認識だけでは足りません。

解雇が無効と判断されると、復職に加えて、解雇期間中の賃金(バックペイ)の支払いを命じられます。紛争が長引けば、その額は決して小さくありません。だからこそ、順序立てた対応が重要になります。

出発点は「記録」です

後から振り返ったとき、裁判所が見るのは記録です。口頭で何度注意しても、記録がなければ「指導していない」のと同じに扱われかねません。

注意・指導は書面やメールで行い、日時・内容・本人の反応を残す。改善のための具体的な目標と期間を示し、その結果も記録する。この積み重ねが、後にどの選択肢を取るにしても土台になります。問題行動が始まったと感じた時点から、記録を意識してください。

段階を踏む――注意・指導から懲戒処分へ

記録を残しながら、軽い措置から段階的に進めるのが原則です。口頭注意、書面での指導・警告、それでも改善がなければ就業規則に基づく懲戒処分(戒告、減給、出勤停止など)を検討します。

懲戒処分には就業規則上の根拠が必要で、行為の性質に照らして重すぎる処分は無効になります(労働契約法15条)。減給には労働基準法91条の上限もあります。また、古い就業規則のまま懲戒事由が実態に合っていない会社も多く、その場合は規程の整備が先になります。

配置転換・退職勧奨という選択肢

解雇の前に、配置転換で環境を変える、あるいは退職勧奨で話し合いによる退職を目指す、という道もあります。

退職勧奨自体は適法ですが、執拗な面談の繰り返しや威圧的な言動は退職強要として違法になり得ます。面談の頻度・人数・言葉選びには注意が必要で、進め方を事前に設計してから臨むべき場面です。

タイプによって対応は変わります

ひと口に問題社員といっても、能力不足型、協調性欠如型、遅刻や無断欠勤などの勤怠不良型、ハラスメントや横領といった非違行為型では、取るべき対応も証拠の残し方も異なります。非違行為型では事実調査(本人・関係者のヒアリング)の手順自体が争点になることもあり、初動の設計が結果を左右します。

弁護士に相談するメリット

  • 解雇まで見据えた場合に耐えられる記録・手順を初動から設計できる
  • 懲戒処分の重さの相場感を踏まえ、無効リスクを減らせる
  • 退職勧奨の面談設計や、合意退職の条件交渉を任せられる
  • 就業規則の整備など、再発を防ぐ仕組みづくりまで対応できる

この分野は、トラブルが起きてからより、起きる前からの関与が効果を発揮します。顧問契約で日常的に相談いただいている会社ほど、対応の選択肢は広がります。

よくあるご質問

Q. 試用期間中なら、自由に辞めてもらえますか?

試用期間中の解雇は通常の解雇よりは広く認められるものの、自由にできるわけではなく、合理的な理由は必要です。採用時の評価と勤務実態のずれを記録で示せるかがポイントになります。

Q. SNSで会社の批判を繰り返す社員がいます。

投稿の内容・影響によっては懲戒の対象になり得ますが、労働者の私的な表現活動との線引きは微妙です。まず投稿の保全(スクリーンショット等)を行ったうえで、対応をご相談ください。

Q. 無断欠勤が続いており、連絡も取れません。

就業規則の規定を確認しつつ、出社命令や連絡の記録を残すことが先決です。一定期間の無断欠勤を退職扱いとする規定がある場合でも、適用には慎重な手順が要ります。

問題社員対応のご相談は当事務所へ

大元・秋山法律事務所(広島市中区・八丁堀)では、企業側の立場から、問題社員への対応、懲戒処分の設計、就業規則の整備までお受けしています。初動を誤る前に、早めにご相談ください。

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