職場のハラスメント(パワハラ・セクハラ)を受けている方へ
上司の暴言、無視、仕事を与えられない、私生活への口出し。つらいと感じたら、まず「記録」を残してください。
ハラスメントに当たるかどうかの見極めから、会社への対応の求め方、損害賠償の請求まで、働く方の側に立ってご相談をお受けします。
どこからがパワハラですか?
次の3つがすべてそろうと、職場のパワーハラスメントに当たります(労働施策総合推進法31条1項、厚生労働省の指針)。
- 優越的な関係を背景にした言動上司だけでなく、仕事上逆らえない同僚・部下や、抵抗や拒絶が難しい集団での言動も含みます。
- 業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの目的が仕事と関係ない、手段がひどい、回数や人数が度を超えている。
- 働く環境が害されるもの平均的な働き手の感じ方で判断します。強い苦痛なら1回でも当たり得ます。
- パワハラに当たる
仕事上必要で、相当な範囲で行われる指示や指導は、パワハラには当たりません。
医療機関・介護施設にお勤めの方のご相談について
当事務所は、多くの医療機関・介護施設の顧問を務めております。そのため、医療機関・介護施設にお勤めの方から、勤務先に関するご相談・ご依頼(退職代行を含む)をお受けすることは、利益相反の観点からいたしかねます。
せっかくお問い合わせをいただきながら、お力になれず誠に申し訳ございません。何とぞご理解いただけますと幸いです。
これはハラスメント? パワハラの6つの型
厚生労働省の指針は、パワハラの代表的な型を6つ挙げています。これに当てはまらなくても、パワハラに当たることがあります。
身体的な攻撃
当たる例殴る、蹴る、相手に物を投げつける。
当たりにくい例誤ってぶつかった場合など、故意でない接触。
精神的な攻撃
当たる例人前で大声で威圧的に、繰り返し叱る。人格を否定する暴言、脅し。性的指向や性自認についての侮辱的な言動も含みます。
当たりにくい例遅刻などを繰り返し注意されても改善しない社員に、一定程度強く注意すること。
人間関係からの切り離し
当たる例仕事を外して長期間、別室に移す。集団で無視して孤立させる。
当たりにくい例新人を育てるため、短期間、別室で集中して研修を受けさせること。
過大な要求
当たる例明らかに不要な仕事や、できるはずのない量・期限の仕事を押し付ける。
当たりにくい例育成のため、少し高いレベルの仕事を任せること。繁忙期に、必要な範囲で普段より多い仕事を頼むこと。
過小な要求
当たる例嫌がらせのために仕事を与えない。辞めさせるために、誰でもできる簡単な仕事だけをさせる。
当たりにくい例能力に応じて、一定程度、仕事の内容や量を軽くすること。
個の侵害
当たる例職場の外でも継続的に監視する。本人の了解なく、病歴や性的指向などを他人に話す。
当たりにくい例配慮のため、家族の状況などを聞くこと。
ハラスメントはパワハラだけではありません
セクシュアルハラスメント
性的な言動への対応で不利益を受けたり、性的な言動で働く環境が害されたりすること。会社には防止の措置が義務づけられています(男女雇用機会均等法11条)。
妊娠・出産・育児休業などのハラスメント
妊娠・出産や、育児休業などの制度を使うことに関する嫌がらせ。会社には防止の措置が義務づけられています(男女雇用機会均等法15条、育児・介護休業法25条)。
顧客や取引先からの著しい迷惑行為(カスタマーハラスメント)についても、会社には対策が義務づけられています(労働施策総合推進法33条)。
いまからできることは? まず記録を残してください
ハラスメントの相談では、「いつ、どこで、誰が、何を言ったか」という具体的な記録が、会社や裁判所を動かす大きな力になります。
記録帳記入例
- 日時
- ○月○日(火)10時15分ごろ
- 場所
- 営業部の事務所、課長の席の前
- 誰が
- A課長
- 何を言った・した
- 報告書を床に投げ、「こんなこともできないなら辞めろ」と大声で言った(約10分)
- 誰が見ていた
- Bさん、Cさん
- その後
- 午後は手が震えて仕事が手につかなかった。夜、眠れなかった
証拠になるもの
- メール・チャット・LINE の画面日付が分かる形で保存
- 録音ご自身が話している場面の録音
- 日記・手帳のメモ
- 心療内科などの受診の記録・診断書
- 同僚の話後で証言をお願いできるか
- 人事評価・配置換えの通知などの書類
その日のうちに、手帳やスマートフォンのメモで構いません。後から書き足すときは、書き足した日も残してください。
会社のパソコンのデータを私用の端末に送る、ほかの人の個人情報を持ち出すといったことは、かえって問題になることがあります。何を残せばよいか迷ったら、ご相談ください。
どんな手段がありますか?
大きく4つの手段があり、組み合わせて使うこともできます。
会社に相談し、対応を求める
社内の相談窓口や人事に。
会社には、相談に応じ、適切に対応するための体制を整えるなどの措置が義務づけられています(労働施策総合推進法31条1項)。厚生労働省の指針は、事実の確認や、被害を受けた人への配慮(配置換えなど)も求めています。相談したことを理由に、解雇などの不利益な扱いをすることは禁止されています(同条2項)。
労働局の助言・指導・調停を使う
会社が動かないとき。
都道府県労働局長による助言・指導・勧告や、紛争調整委員会による調停を、無料で利用できます(同法36条・37条)。広島は、広島労働局の総合労働相談コーナー(082-221-9296)が窓口です。
弁護士が交渉し、損害賠償を求める
心身の不調や退職に追い込まれたなど、損害が大きいとき。
ハラスメントをした本人(民法709条)や、会社(使用者責任・民法715条、安全への配慮を怠った責任・民法415条、労働契約法5条)に、慰謝料などを請求します。交渉、労働審判(会社が相手方)、訴訟と進めます。
労災を請求する
ハラスメントでうつ病などの心の病気になったとき。
発病前のおおむね6か月の間に、仕事による強い心理的負荷があったかを中心に判断されます。ハラスメントが6か月より前から続いている場合は、始まった時からの出来事が評価されます(精神障害の労災認定基準)。
どの手段が合うかは、ハラスメントの内容、記録の有無、在職を続けたいかで変わります。最初のご相談で一緒に整理します。
辞めたほうがよいですか?
心身が限界なら、まず休むことを優先してください。辞めるかどうかは、急いで決めなくて構いません。
辞める場合も、上司や同僚からの著しい冷遇・嫌がらせによる退職などは、雇用保険で会社都合の離職と同じように扱われる「特定受給資格者」に当たることがあります(判断はハローワークが行います)。退職届に「一身上の都合」と書く前に、ご相談ください。会社とのやり取りがつらい場合は、退職の連絡を弁護士がお引き受けすることもできます。
損害賠償には期限がありますか?
あります。ハラスメントをした本人への請求(不法行為)は、損害と相手を知った時から原則3年で時効になります(民法724条)。会社への請求は、根拠によって5年となることがあります(民法166条1項)。
損害賠償
3年不法行為・原則
5年生命・身体を害された場合民法724条の2
5年会社への請求安全への配慮の義務違反民法166条1項
労災労働者災害補償保険法42条
2年療養・休業の給付
5年障害の給付
心の病気が「身体を害された」場合に当たるかは、事情によって判断が分かれることがあります。期限が迫っていなくても、記録が新しいうちのご相談をおすすめします。
弁護士費用と、ご依頼の流れ
ご予約・ご紹介の方は初回30分無料で、着手金と報酬金はご依頼をお受けする前に書面でお示しします。
- ご予約
- ご相談記録をお持ちください
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ご予約・ご紹介の方は初回30分無料です。
よくある質問
上司の厳しい指導は、すべてパワハラになりますか?
なりません。仕事上必要で、相当な範囲で行われる指示や指導は、パワハラには当たりません。人格を否定する言葉や、必要以上に人前で長時間叱るなど、範囲を超えているかどうかが分かれ目です。
1回だけの暴言でもパワハラになりますか?
なり得ます。厚生労働省の考え方では、強い苦痛を与える言動なら、1回でも働く環境が害されたと判断されることがあります。
同僚や部下からの嫌がらせもパワハラですか?
当たることがあります。仕事上の知識や経験があり、協力を得なければ仕事が回らない同僚や部下からの言動や、抵抗や拒絶が難しい集団での嫌がらせも「優越的な関係」に含まれます。
録音は証拠になりますか?
ご自身が話している場面の録音は、裁判などで証拠として提出でき、事実の認定に使われることがあります。ただし、録音の仕方や使い方によっては問題になることもあるため、迷ったらご相談ください。
会社に相談したら、不利な扱いを受けませんか?
相談したことを理由に、解雇などの不利益な扱いをすることは、法律で禁止されています(労働施策総合推進法31条2項)。
在職したまま相談できますか?
できます。会社に知られずに方針を考えたいというご相談もお受けしています。ご連絡の方法はご相談のときに決めます。
医療機関や介護施設に勤めていますが、相談できますか?
申し訳ございませんが、医療機関・介護施設にお勤めの方から、勤務先に関するご相談・ご依頼(退職代行を含む)をお受けすることは、利益相反の観点からいたしかねます。当事務所が、多くの医療機関・介護施設の顧問を務めているためです。

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