不貞の慰謝料を請求された方へ

大元・秋山法律事務所 広島市中区八丁堀
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不貞の慰謝料を請求された方へ

請求された金額をそのまま払う必要はありません。減額できる場合も、支払義務がない場合もあります。広島市中区八丁堀の大元・秋山法律事務所が、まず何をすべきかを説明します。

慰謝料を請求したい方はこちら

まず、やってはいけないこと

最初の対応で結論がほぼ決まってしまうことがあります。

その場で書面に署名しない

示談書や承諾書に署名すると、後から「金額が高すぎる」と争うことが極めて難しくなります。持ち帰って構いません。

言われた額をすぐ払わない

請求額は相手方が一方的に決めた希望額です。裁判所が認める水準とは別物で、数分の一になることも珍しくありません。

無視もしない

放置すると訴訟を起こされ、欠席すれば請求どおりの判決が出ます。給与や預金の差押えにつながります。

相手方や相手方の配偶者と、直接やり取りしないでください。感情的なやり取りは、それ自体が不利な証拠になります。弁護士が窓口になれば、以後の連絡はすべて代理人が受けます。

支払義務がない場合・減額できる場合

すでに婚姻関係が破綻していた

最高裁平成8年3月26日判決は、肉体関係を持った当時すでに婚姻関係が破綻していたときは、特段の事情がない限り不法行為責任を負わないとしています。別居していた、離婚の話が進んでいた、家庭内別居が長かったといった事情が使えます。

既婚だと知らなかった

民法709条は故意または過失を要件とします。独身だと説明されていて、疑う事情もなかったのであれば責任を負いません。当時のやり取りが残っていれば有力です。

3年が過ぎている

民法724条により、相手方が損害および加害者を知った時から3年で時効です。発覚から長く経っている場合は、時効を主張できることがあります。

すでに配偶者が支払っている

不貞は2人の共同不法行為です(民法719条1項)。相手方が配偶者から既に受け取っている分は、あなたが支払う額から差し引かれます。二重には取れません。

離婚したこと自体の慰謝料は別

最高裁平成31年2月19日判決は、離婚させることを意図して婚姻関係に不当な干渉をしたなどの特段の事情がない限り、離婚に伴う慰謝料を不貞相手に請求することはできないとしました。請求額に離婚分が上乗せされている場合、この主張で大きく下がります。

主導したのは相手ではない

誘われた側であること、関係が短期間だったこと、既に関係を解消していることは、いずれも減額の事情として考慮されます。

実際に認められている水準

請求額と、裁判所が認める額は別物です。

状況目安
婚姻が継続している50万円〜150万円
別居に至った50万円〜200万円
離婚に至った100万円〜300万円
300万円や500万円という請求書が届くことがありますが、これは相手方が一方的に希望額を書いたものです。上の水準からさらに、婚姻期間の短さ・関係の短さ・主導性の乏しさなどで下がります。実際に数分の一で示談することは珍しくありません。

示談書で必ず確認する6点

金額だけを見て署名すると、後から負担が増えます。

1. 求償権を放棄していないか

放棄すると、相手方の配偶者に負担分を請求できなくなります。実質的に全額を1人で負う条項です。

2. 清算条項があるか

「これ以外に債権債務がないことを相互に確認する」という一文です。これがないと、後から追加で請求される余地が残ります。

3. 口外禁止が双方向か

こちらだけが守る内容になっていることがあります。相手方も第三者に口外しない、と双方向にします。

4. 接触禁止の範囲が広すぎないか

職場が同じ場合など、履行できない条件が入っていると、後で違約金を請求される危険があります。

5. 違約金の額

不相応に高額な違約金が定められていないか確認します。示談金と同額といった条項が入っていることがあります。

6. 支払方法と期限

分割にする場合、期限の利益喪失条項(1回でも遅れたら残額を一括請求される)の内容を確認します。

もう認めてしまった・署名してしまった

署名してしまった場合

直ちに無効にはなりませんが、錯誤や強迫を理由に取り消しを主張できる余地があります。長時間詰められた、その場で書かされた、事実と違う説明を受けたといった事情があれば、状況を詳しく伺います。

金額が不相当に高い場合

裁判所が認める水準を大きく超える合意は、公序良俗に反するとして効力が争われることがあります。ただしハードルは高く、早い段階での交渉のほうが現実的です。

まだ払っていない場合

支払前であれば、交渉の余地が残ります。まず支払いを止めて、ご相談ください。

署名した書面、そのときのやり取りの記録、日時と場所、同席者を、思い出せる範囲で書き出しておいてください。時間が経つほど立証が難しくなります。

支払えるお金がない場合

分割にする

実務上は分割で合意することが多くあります。月々いくらなら払えるかを示し、無理のない条件にします。

放置した場合に起きること

訴訟を起こされ、判決が出れば給与・預貯金の差押えができます。給与は原則として手取りの4分の1まで、勤務先に差押命令が届きます。会社に知られるのは、この段階です。

それでも払えないとき

慰謝料は破産をしても免責されない場合があります(悪意で加えた不法行為などに当たるとき)。安易に踏み倒せる債務ではありませんので、早めに条件交渉をするほうが結果的に軽く済みます。

支払った後、相手の配偶者に請求できます

不貞は2人の共同不法行為なので、あなたが全額を支払った場合、本来その人が負担すべき分を請求できます。これを求償といいます。

ところが示談書には、「求償権を放棄する」という条項が入っていることがほとんどです。気づかずに署名すると、実質的にあなたが全額を負担することになります。示談書は署名前に必ず確認してください。この一文の有無で、実際の負担額が変わります。

会社や家族に知られたくない

勤務先への連絡は違法になり得ます

相手方が勤務先に事実を告げる、周囲に言いふらすといった行為は、名誉毀損やプライバシー侵害として別に責任を問われることがあります。そうした言動があれば、必ず記録しておいてください。

示談で終われば公になりません

交渉段階で合意できれば、記録が公開されることはありません。示談書に口外禁止条項を入れることもできます。

訴訟になった場合

訴訟記録は原則として閲覧できる状態になります。この点も、早期に示談で終える判断材料のひとつです。

進め方

届いた書面と経緯を確認する

内容証明、示談書の案、やり取りの記録をお持ちください。請求額の根拠と、使える反論を洗い出します。

代理人として回答する

以後の連絡は当事務所が受けます。反論を示したうえで、相当な金額を提示して交渉します。1か月から3か月が目安です。

示談書を整える

金額だけでなく、求償権、分割の条件、口外禁止、清算条項まで確認して締結します。ここを詰めておかないと後で蒸し返されます。

弁護士費用

当事務所の基準です。初回のご相談は30分無料で、ご依頼をお受けする前に書面でお示しします。

 着手金報酬金
慰謝料請求への対応経済的利益の8%経済的利益の16%
請求された側の経済的利益は、減額できた金額で考えます。300万円の請求が100万円になった場合、経済的利益は200万円です。上の表は税別の金額で、別途消費税がかかります。

よくあるご質問

Q300万円請求されました。本当に払うのでしょうか?
A

そのまま払う必要はまずありません。裁判所が認める水準は、離婚に至った場合でも100万円から300万円が目安で、婚姻が続く場合はより低くなります。加えて破綻や期間などの事情で下がります。実際に数分の一で示談することは珍しくありません。

Qもう関係は終わっています。それでも払うのですか?
A

関係を解消していることは減額の事情になりますが、過去の不貞に対する責任が消えるわけではありません。ただし、いつ終わったかによって時効の主張ができる場合があります。

Q相手が既婚だと途中で知りました。
A

知った時点より前の分については、故意も過失もなければ責任を負いません。知った後も関係を続けた場合は、その部分について責任が生じます。いつ知ったかが争点になります。

Q分割払いにしてもらえますか?
A

交渉次第です。一括を求められても、実情を示して分割にすることはよくあります。ただし公正証書にする場合は、不払い時に差押えができる形になる点を理解しておく必要があります。

Q弁護士を立てると相手を刺激しませんか?
A

逆です。代理人が入ると、感情的なやり取りが止まり、金額の話に集中できます。相手方も弁護士を立てていることが多く、その場合は本人同士でやり取りするほうが不利になります。

Q裁判所から書類が届きました。
A

すぐにご連絡ください。答弁書の提出期限と第1回の期日が決まっています。放置すると請求どおりの判決が出ます。

Q相手の配偶者から、勤務先に連絡すると言われました。
A

その発言自体を記録してください。実際に連絡されれば名誉毀損やプライバシー侵害として責任を問える可能性があり、交渉上もこちらに有利に働きます。脅しに応じてその場で支払う必要はありません。

Q配偶者と別居中だと聞いていました。
A

重要な事情です。実際に婚姻関係が破綻していたのであれば、最高裁平成8年3月26日判決により責任を負いません。別居の時期、期間、生活実態を示す資料があればお持ちください。

Q慰謝料を払ったら、相手の配偶者に請求できますか?
A

できます。不貞は2人の共同不法行為なので、本来その人が負担すべき分を求償できます。ただし示談書で求償権を放棄していると請求できません。署名前に必ず確認してください。

Q弁護士費用のほうが高くつきませんか?
A

請求額が小さい場合はその可能性があります。初回の相談で、費用と見込まれる減額幅をお伝えし、依頼しないほうがよい場合はその旨を率直に申し上げます。

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