2026年4月から、離婚後の共同親権が選べるようになりました
これまでは、離婚するときに父母のどちらか一方を親権者に決めなければなりませんでした。2026年4月1日からは、父母の双方を親権者と定めることもできます。
すでに離婚された方も、家庭裁判所に共同親権への変更を申し立てることができます(民法819条6項)。認められるかどうかは、裁判所が子の利益の観点から判断します。ただし、何もしなければ今のまま単独親権が続きます。
このページは、すでに離婚された方と、これから離婚を考えている方の両方に向けて書いています。ご自身がどちらに当たるかで、読む順番を変えていただいて構いません。
何が変わったのか
| 2026年3月まで | 2026年4月から | |
|---|---|---|
| 離婚後の親権者 | 父母のどちらか一方だけ | 双方でも、一方でもよい |
| 決め方 | 父母の話し合い | 父母の話し合い。まとまらなければ家庭裁判所が決める |
| すでに離婚した人 | 一方から他方へ移すことしかできなかった | 双方を親権者とする変更も申し立てられる |
共同親権が「原則」になったわけではありません。話し合いで一方に決めることもできますし、家庭裁判所が一方に決めることもあります。
すでに離婚された方が変更する場合
民法819条6項により、子の利益のため必要があると認められるときは、家庭裁判所が親権者を変更できます。
- 1
家庭裁判所に申し立てる
相手方の住所地を管轄する家庭裁判所(または父母が合意で定めた家庭裁判所)に、親権者変更の調停を申し立てます(家事事件手続法245条1項)。費用は収入印紙1,200円(子ども1人につき)と連絡用の郵便切手です。
- 2
相手が同意すれば、調停で決まる
話し合いがまとまれば、その内容で調停が成立します。
- 3
同意が得られなければ、審判へ
調停が成立しない場合は審判に移り、裁判所が判断します。父母と子の関係、父と母の関係、その他一切の事情が考慮されます。
放っておくと変わりません。法律が変わっても、過去の離婚が自動的に共同親権になることはありません。変更を望むなら、申立てが必要です。
共同親権になると、何を2人で決めるのか
すべてを相手と相談しなければならない、というわけではありません。
2人で決めること
子どもの将来に関わる重要な事柄です。
- 進学先や転校
- 手術など重大な医療行為への同意
- 子どもの住まいを大きく変えるとき
ひとりで決めてよいこと
民法824条の2が2つの例外を定めています。
- 日常の行為(同条2項)。習い事、通院、日々の生活の判断など
- 急迫の事情があるとき(同条1項3号)。緊急の手術や、避難が必要なときなど
決まらないとき
特定の事柄について話し合いがつかない場合、家庭裁判所は「この件については一方が単独で決めてよい」と定めることができます(同条3項)。
共同親権にならない場合
民法819条7項は、次のようなときは一方を親権者と定めなければならないと定めています。
子どもに害が及ぶおそれがあるとき
父または母が、子どもの心身に害悪を及ぼすおそれがあると認められる場合です。
共同で決めることが難しいとき
一方が他方から暴力などを受けるおそれの有無や、話し合いがまとまらない理由などを考慮して、父母が共同して親権を行うことが困難だと認められる場合です。
DVや虐待がある事案で、無理に共同親権にされることはありません。ご心配な事情がある場合は、そのことを含めてご相談ください。
「親権者」と「監護者」は別です
共同親権になっても、日々の子育てを担う人を別に決めることができます。
親権者
- 決めること
- 進学、重大な医療、財産の管理など
- 共同にできるか
- できる(2026年4月から)
- 単独で行使できるか
- 日常の行為と急迫の事情のみ
監護者
- 決めること
- 日々の養育、しつけ、居所の決定
- 共同にできるか
- 一方に定めるのが通常
- 単独で行使できるか
- 監護の範囲は単独でできる
民法824条の3は、家庭裁判所などで定められた監護者について、子の監護および教育、居所の指定・変更、営業の許可などを単独で行えると定めています。共同親権にしたうえで、実際に一緒に暮らす親を監護者に定める、という組み合わせが可能です。
具体的に、どちらに当たるのか
迷いやすいものを並べます。最終的には事案ごとの判断になります。
押すと、どちらに近いかが出ます
2人で2人で決めるほうに近いもの
ひとりでひとりで決めてよいものに近いもの
急迫の事情があるとき緊急の手術、災害時の避難、DVから逃れる必要があるときなどは、相手の同意を待たずに単独で決められます(民法824条の2第1項3号)。連絡がつかないという理由だけでは足りません。
養育費・親子交流との関係
養育費は減りません
共同親権になっても、養育費の支払義務がなくなったり当然に減ったりするわけではありません。金額は双方の収入と子の人数・年齢で決まります。ただし、子と過ごす日数が大きく増えれば、それを考慮して調整する余地はあります。
親子交流も別の問題です
親権が共同かどうかと、どれだけ子と会えるかは別に取り決めます。共同親権にしたからといって、自動的に交流の回数が増えるわけではありません。逆に単独親権のままでも、交流の取決めは可能です。
すでにある取決めは有効です
施行前に決めた養育費や親子交流の合意は、そのまま効力を持ちます。事情が変わったときは、別途、変更を求める手続をとります。
弁護士費用
当事務所の基準です。ご予約・ご紹介の方は初回30分無料で、ご依頼をお受けする前に書面でお示しします。
| 手続 | 着手金 | 報酬金 |
|---|---|---|
| 親権者変更の調停・審判 | 30万円 | 30万円 |
| 離婚調停(親権を含む) | 20万円〜50万円 | 20万円〜50万円 |
申立てに必要な実費は、収入印紙1,200円(子ども1人につき)と連絡用の郵便切手です。上の表は税別の金額で、別途消費税がかかります。
弁護士費用の一覧を見るよくあるご質問
相手が同意しなくても、共同親権に変更できますか?
できる場合があります。調停で合意できなければ審判に移り、裁判所が判断します。合意がなければ絶対に変更できない、というものではありません。
ただし、裁判所は子の利益を基準に判断します。相手の同意がないという一点だけで結論が決まるわけでもありません。
共同親権になると、養育費はどうなりますか?
親権と養育費は別の問題です。共同親権になったからといって、養育費の支払義務がなくなるわけではありません。金額は、双方の収入と子どもの人数・年齢をもとに算定します。
相手と直接連絡を取りたくないのですが。
弁護士が代理人として窓口になりますので、ご本人が相手と直接やり取りする必要はありません。調停でも、待合室は父母で分けられ、交互に話を聞く形で進みます。
子どもの意思は考慮されますか?
考慮されます。年齢や発達の程度に応じて、家庭裁判所調査官が子どもの意向を確認することがあります。特に15歳以上の場合は、審判の際に子ども本人の陳述を聴かなければならないと定められています(家事事件手続法169条2項)。
いつから申し立てられますか?
2026年4月1日以降であれば、いつでも申し立てられます。期限は定められていませんが、お子さまの進学など生活上の節目に間に合わせたい場合は、逆算して動く必要があります。
相手が海外にいます。共同親権にできますか?
制度上は可能ですが、重要な事項を都度2人で決める必要があるため、実際の運用に支障が出ることがあります。裁判所は「共同して親権を行うことが困難」かどうかを見ますので、連絡の取りやすさは判断材料になります。
共同親権にすると、相手に住所を知られますか?
親権者変更の申立てをすれば、相手方に書類が届きます。DVなどの事情がある場合は住所を秘匿する手続がありますので、申立ての前に必ずご相談ください。
手続にどれくらいかかりますか?
調停で合意できれば3か月から6か月、審判に移行すると6か月から1年程度が目安です。子の意向調査などが入るとさらに時間がかかります。
広島市中区八丁堀
事務所案内・アクセス
広島市中区八丁堀。広島電鉄「八丁堀電停」から徒歩2分です。

| 事務所名 | 大元・秋山法律事務所 |
|---|---|
| 所在地 | 〒730-0013 広島県広島市中区八丁堀11-10 KSビル8階 |
| アクセス | 広島電鉄「八丁堀電停」徒歩2分 アストラムライン「県庁前駅」徒歩5分 JR広島駅から市電で約10分 |
| 受付時間 | 平日 9:30〜19:00(土曜・日曜・祝日は要予約) メール・LINEは24時間受付 |
| 電話番号 | 082-221-2221 |
| LINE | LINEで予約する |
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