会社・個人の未払い金の回収
払ってもらえない・未払いの お金の回収(債権回収)
請求しても払われない。そのままにすると、時効で請求できなくなることもあります。
未収金が積み重なると、資金繰りが苦しくなり、事業そのものを危うくしかねません。
取引先の売掛金から、個人の間で貸したお金まで。相手と状況に合った手段で、弁護士が回収を進めます。
どんなお金の回収を、ご相談いただけますか?
会社どうしの取引のお金も、個人の間のお金も、ご相談いただけます。立場ごとに、よくあるご相談と気をつけたい点をまとめました。
気をつけたい点押すと説明が開きます
支払日の延期の申し出が続く、担当者と連絡がつかない、ほかの取引先への支払いも遅れていると聞く。こうした兆しが見えたら、早めに動くほど、取れる手段が多く残ります。相手が財産を移したり隠したりしそうなときは、判決の前に財産を押さえる仮差押えも検討します(民事保全法20条)。
期限の利益を失う条件、遅延損害金、所有権の留保、合意する裁判所(管轄)を契約書に定めておくと、いざというときに動きやすくなります。遅延損害金の定めがない場合は、法定利率によります(2020年4月1日以後に遅れた分は年3%、それより前の分は改正前の利率。民法404条・419条)。
分割払いの合意は、「支払いを怠ったときは、直ちに強制執行に服する」旨を入れた公正証書にしておくと、払われなくなったときに、裁判をせずに差押えができます(民事執行法22条5号)。保証人や担保を付けられないかも、交渉の材料になります。
個人
知人や親族に貸したお金、立て替えたお金、示談で決まったのに払われないお金。
よくあるご相談
- 貸したお金・立て替えたお金
- 示談・和解で決まったお金
- 個人の間の売買・仕事の代金
- 養育費・婚姻費用
- 未払いの給料・残業代
養育費・婚姻費用は離婚のページ、給料・残業代は労働問題のページでも詳しくご説明しています。
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お金を渡したことは振込の記録で、返す約束はメールやLINEのやり取りなどで示せることがあります。相手が「返す」と認めたやり取りは、時効をやり直させる力もあります(民法152条1項)。手元の記録は、消さずに残しておいてください。
当事者どうしで交わした示談書や合意書があっても、それだけで相手の財産を差し押さえることはできません。払われないときは、支払督促や訴訟で判決などを得てから、強制執行をします。判決などで確定した権利の時効は、10年になります(民法169条1項)。
調停調書や公正証書などで決まった養育費・婚姻費用は、給料の2分の1まで差し押さえられます(民事執行法152条3項)。一部でも払われないときは、まだ期限が来ていない将来の分も、給料の差押えをまとめて申し立てられます(同法151条の2)。勤務先が分からなくても、一定の条件のもとで、市町村などから情報を得られます(同法206条1項)。
医療機関・介護施設
外来・入院の医療費や、介護サービスの利用料の未払い。診療をどうするかの整理も、あわせてご相談いただけます。
よくあるご相談
- 外来・入院の医療費
- 介護サービスの利用料
- 入院の保証人への請求
医療機関の法務は、医療法務のページでもご案内しています。
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厚生労働省の通知では、以前に医療費の不払いがあったことだけで診療しないことは、正当化されないとされています。ただし、支払能力があるのに悪意をもってあえて支払わない場合などには、診療しないことが正当化され、特段の理由なく保険診療の自己負担分の未払いが重なっている場合は、悪意のある未払いと推定されることもあります(令和元年12月25日 医政発1225第4号)。なお、病状の深刻な救急の患者さんなど、緊急の対応が必要な場合に診療しないことが正当化されるのは、事実上診療が不可能といえる場合に限られます。判断に迷うときはご相談ください。
入院費などを保証する内容の書面があれば、保証人にも請求できます。ただし、個人が将来の入院費などの不特定の債務をまとめて保証する契約(根保証)は、2020年4月1日以降に結んだものなら、上限額(極度額)を書面で定めていないと効力がありません(民法465条の2)。入院の申込書の書式を見直す機会にもなります。
分割の約束は、日付と金額を書いた書面に、本人の署名をもらってください。払う意思を認めた記録になり、時効もやり直しになります(民法152条1項)。
まず、何を確かめればよいですか?
「時効」「証拠」「相手の財産の手がかり」の3つです。これで、取れる手段と急ぐべきかが決まります。
時効
代金や貸したお金などの請求権は、請求できると知った時から5年で時効になります(民法166条1項)。2020年4月1日より前に生じた債権は、改正前の民法の短い期間になることがあるため、特に急いで確かめてください。
証拠
契約書・借用書、請求書・納品書、振込の記録、支払いを約束したメールやLINE、書面。相手が「払う」と認めた記録は、時効をやり直させる力もあります(民法152条1項)。
相手の財産の手がかり
勤務先、取引銀行と支店、持っている不動産、取引先。分かる範囲で構いません。差押えのときに役立ちます。
時効の目安を見てみる
お金のやり取り(契約・貸し付け)はいつですか?
支払いの期限(返す約束の日)はいつですか?
目安です。時効が始まる時や、途中で相手が支払いを認めたことなどで変わります。
どんな順番で回収を進めますか?
回収にかかる費用や手間を最小限にする観点から、①の請求書・電話から順に進めるのがよいと考えます。ただし、相手が財産を移したり隠したりしそうなときは、先に⑤の仮差押えで財産を押さえます。
段を押すと、その段の説明が開きます
請求書・電話
まずは期限を区切って、支払いをお願いします。払えない事情を聞き、分割の相談に乗ることもあります。
内容証明郵便
いつ、どんな内容で請求したかを郵便局が証明する手紙です。時効が迫っているときは、届いてから6か月、時効の完成が猶予されます(民法150条1項。くり返し送っても延びません)。弁護士の名前で送ると、相手の受け止め方が変わることがあります。
交渉・分割の合意
分割で払う約束をするときは、書面に残します。公正証書にして「支払いを怠ったときは、直ちに強制執行に服する」旨を入れると、払われなくなったときに裁判をせずに差押えができます(民事執行法22条5号)。
支払督促・少額訴訟・訴訟
裁判所の手続で、支払いを命じてもらいます。相手が争わなければ早く終わる手続(支払督促)、60万円以下で原則1回で終わる手続(少額訴訟)、争いがある場合の訴訟があります。
仮差押え
相手が財産を移したり隠したりしそうなときに、判決の前に、預金や不動産を仮に押さえる手続です(民事保全法20条)。裁判所の決める担保金を納めるのが通常です。
強制執行・財産開示
判決などに基づいて、預金・給料・不動産などを差し押さえます。財産が分からないときは、裁判所の手続で相手に財産を明らかにさせたり、銀行などから預貯金の情報を得たりできます。
どの段で払われるかは相手しだいです。回収できるかどうかは、最終的には相手の財産によります。
内容証明・支払督促・少額訴訟・訴訟は、どう違いますか?
相手が争いそうか、金額はいくらかで、合う手続が変わります。
どの手続が合いそうか、選んでみる
請求する金額は?
相手は争いそうですか?
まず内容証明郵便で請求し、相手の出方を見ます。
相手が争わないと見込まれるなら、支払督促が向いています。
相手が争っているなら、訴訟で判決を得ます。140万円以下は簡易裁判所、超えると地方裁判所です。
60万円以下で、証拠がそろっていれば、少額訴訟も使えます。
140万円を超えるので、地方裁判所の訴訟になります。
60万円以下なら、原則1回で終わる少額訴訟も選べます。
目安です。実際には、証拠や相手の財産も見て決めます。
| 手続 | 使える金額 | 相手が争ったら | 裁判所に行く回数 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|---|
| 内容証明郵便 | 金額の制限なし | 強制力はない | なし | まず請求の意思をはっきり伝えたいとき・時効が迫っているとき |
| 支払督促 | 金額の制限なし | 異議が出ると訴訟に移る | 原則なし(書類の手続) | 相手が争わないと見込まれるとき |
| 少額訴訟 | 60万円以下 | 相手が希望すると通常の訴訟に移る | 原則1回 | 金額が小さく、証拠がそろっているとき |
| 訴訟 | 制限なし(140万円以下は簡易裁判所、超えると地方裁判所) | 判決で決着 | 複数回 | 相手が争っているとき |
支払督促は、相手の住所地の簡易裁判所に申し立てます。どの手続でも、確定した判決などがあれば強制執行ができます。
相手の財産が分からなくても、差し押さえられますか?
判決などがあり、ほかの方法では全額を回収できない見込みのときは、裁判所の手続で財産を調べられます(民事執行法196条・197条・204条)。
第三者からの情報取得
- 銀行など→預貯金
- 登記所→不動産(先に財産開示を行った場合)
- 市町村・年金機構など→勤務先(養育費などや、けがの賠償のとき)
勤務先の情報を取れるのは、養育費などや、けがなどの損害賠償の請求に限られます。売掛金や貸したお金では使えません(民事執行法206条)。
給料の差押えは、原則として4分の1までです。月額44万円を超える場合は、33万円を超える部分を差し押さえられます(民事執行法152条、同法施行令2条)。
弁護士に頼むと、何が変わりますか?
弁護士の名前で請求し、交渉から裁判所の手続、差押えまで、窓口を一本にできます。
弁護士名の内容証明で、相手の対応が変わることがある
支払督促・訴訟・仮差押え・強制執行を代理できる
相手との関係を考えた進め方を、一緒に決められる
他人の債権を、報酬を得て業として回収できるのは、弁護士のほかは、法律で認められた範囲(140万円以下の簡易裁判所の事件を扱う認定司法書士、金融機関の貸付債権などを扱う法務大臣の許可を受けた債権回収会社)に限られます(弁護士法72条)。許可のない回収業者への依頼は、トラブルのもとになるため避けてください。
費用
金額はすべて税別です
| 項目 | 着手金 | 報酬金 |
|---|---|---|
| 債権回収:経済的利益300万円以下 | 8%(最低10万円) | 16% |
| 債権回収:経済的利益300万円超~3000万円以下 | 5% + 9万円 | 10% + 18万円 |
| 仮差押え(保全命令申立)本案と別途請求可 | 訴訟着手金の1/2~2/3 | 訴訟報酬金の1/4~1/3 |
| 強制執行 | 訴訟着手金の1/2 | 訴訟報酬金の1/4 |
| 内容証明作成(弁護士名あり)弁護士名なしは1万円~ | 5万円~ | ― |
| 多数の債務者への請求(企業・医療機関の未払金・未払診療費の請求) 顧問先様は低額で一律の金額のサービスを用意しております。 | ご相談ください | ご相談ください |
経済的利益が3000万円を超える場合の計算は、弁護士費用の一覧をご覧ください。
ご予約・ご紹介の方は初回30分無料。費用はご依頼の前に書面でお示しします。
債権回収の、よくあるご質問
少額のお金でも、相談できますか?
できます。金額によっては、弁護士費用とのつり合いを考え、支払督促や少額訴訟をご自身で使う方法をお伝えすることもあります。
時効が迫っているときは、どうすればよいですか?
内容証明郵便で請求すると、届いてから6か月は時効の完成が猶予されます。その間に支払督促や訴訟を申し立てます。くり返し送っても期間は延びないため、早めにご相談ください。
知人に貸したお金で、借用書がありません。
振込の記録や、メール・LINEのやり取りなどから、貸したことや返す約束を示せることがあります。手元の記録は消さずに、ご相談のときにお持ちください。
示談書があるのに、払われません。
示談書だけでは差押えはできません。支払督促や訴訟で判決などを得てから、強制執行をします。示談書は、その手続の大事な証拠になります。
相手が「払えない」と言っています。
分割の合意を、強制執行ができる公正証書にしておく方法があります。財産があるのに払わない場合は、仮差押えや強制執行を検討します。
回収できなかったら、費用はどうなりますか?
報酬金は、実際に回収できた額などの経済的利益を基に計算します。着手金はご依頼の時にいただきます。見込みと費用は、ご依頼の前に書面でお示しします。
債権回収の業者に頼んでもよいですか?
他人の債権を、報酬を得て業として回収できるのは、弁護士のほかは、法律で認められた一定の範囲に限られます(弁護士法72条)。許可のない回収業者への依頼は、トラブルのもとになるため避けてください。
遠方の相手でも対応できますか?
対応できます。手続によっては相手の住所地の裁判所になりますが、書面やWeb会議で進められることもあります。
医療費を払わない患者さんの診療を断れますか?
以前の不払いだけを理由に断ることは、正当化されないとされています。支払能力があるのに悪意をもって支払わない場合などは、診療しないことが正当化されることがあります(厚生労働省 令和元年12月25日の通知)。
入院の保証人に請求できますか?
入院費などを保証する内容の書面があれば請求できます。2020年4月1日以降に、個人が将来の入院費などをまとめて保証した契約は、上限額(極度額)の定めがないと効力がありません。
ご相談を担当する弁護士
事務所・弁護士の紹介
開設弁護士 シニアパートナー
大元 孝次(おおもと こうじ)
企業法務・不動産紛争・医療法務に注力しています。
経歴
- 1977年
- 中央大学法学部卒業
- 1983年
- 弁護士登録
- 1985年
- 大元孝次法律事務所を開所
主な役職・委員歴
- 広島弁護士会市民窓口委員会委員長
- 医療機関における医療倫理委員会委員
- 医療法人監事

代表弁護士 パートナー
大元 和貴(おおもと かずき)
契約法務・労務・債権回収・事業承継に注力しています。
経歴
- 2011年
- 中央大学大学院法務研究科修了
- 2012年
- 弁護士登録、大元・秋山法律事務所に参画
主な役職・委員歴
- 国立大学病院の臨床研究倫理審査委員会委員
- 国立病院の治験・利益相反・臨床研究倫理委員会委員
- 民間病院における倫理委員会委員
- 医療法人監事
- 広島市建築紛争調停委員会委員

アソシエイト
松澤 翔一(まつざわ しょういち)
訴訟・紛争対応・労務問題に注力しています。
経歴
- 2012年
- 広島修道大学大学院法務研究科修了
- 2017年
- 弁護士登録(広島弁護士会)
主な役職・委員歴
- 民間病院における医療倫理委員会委員
事務所案内・アクセス

- 所在地
- 大元・秋山法律事務所
〒730-0013 広島県広島市中区八丁堀11-10 KSビル8階 - 最寄り
- 広島電鉄 八丁堀電停から徒歩2分
アストラムライン 県庁前駅から徒歩5分
JR広島駅から市電で約10分 - 受付時間
- 平日 9:30〜19:00(土曜・日曜・祝日は要予約)
- ご相談の方法
- 全国からのご相談を、Web 会議でもお受けしています。
- 対応地域
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ご相談時のお願い
- ご相談に関係する資料や、経過を整理したメモをご用意いただくとスムーズです。
- 相手方・裁判所・行政などから書面が届いている場合は、その書類一式をお手元にご準備ください。
- ご相談内容は、弁護士の守秘義務により厳重に守られます。
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